技能実習「介護」とは?受け入れ要件・人数枠・流れを解説【2026】

技能実習「介護」とは?受け入れ要件・人数枠・流れを解説【2026】

技能実習「介護」は、2017年11月から対象となった国際貢献型の在留資格で、介護施設が監理団体を通じて実習生を受け入れ、身体介護などを段階的に学べる制度です。本記事では固有要件、受け入れの流れ、費用、他制度との違い、2027年の育成就労移行までを施設担当者向けに整理します。

4つの受け入れルートの比較は「外国人介護人材の採用完全ガイド」をご覧ください。

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技能実習制度(介護分野)とは?

技能実習「介護」は、2017年11月から対象となった国際貢献型の在留資格で、介護施設で身体介護などを学び最長5年まで段階的に実習できる制度です。

技能実習制度は、開発途上国等の外国人に日本で技能・技術・知識を移転することを目的としています。介護職種は対人サービスのため、一般職種に加えて日本語や配置体制などの固有要件が上乗せされます。

介護職種の固有要件(日本語・人数枠・体制・対象施設)

介護職種は他職種より厳しい固有要件があり、入国時は原則N4相当の日本語、事業所の人数枠・指導員配置・開設後3年などの体制条件を満たす必要があります。

日本語能力要件

介護は利用者との意思疎通が業務の中心になるため、日本語要件が他職種より高く設定されています。JITCOの案内では、第1号は日本語能力試験N4相当以上、第2号はN3相当以上(同等試験を含む)が求められます。

  • 第1号(入国時):日本語能力試験N4相当以上
  • 第2号(2年目):日本語能力試験N3相当以上
  • 同等試験の例:J.TEST、日本語NAT-TEST、介護日本語能力テスト、国際交流基金日本語基礎テスト

人数枠

受け入れ人数は事業所単位で、介護等を主たる業務とする常勤介護職員の総数に応じて決まります。技能実習生の総数が常勤介護職員の総数を超えることはできません。

小規模事業所ほど枠が小さいため、計画前に自施設の常勤介護職員数で上限を試算してください。人数枠の詳細表は厚生労働省の固有要件資料で確認できます。

実習実施者の体制

受け入れ側には、指導と安全のための体制要件があります。代表的な条件は次のとおりです。

  • 技能実習を行わせる事業所が開設後3年以上経過していること
  • 技能実習生5名につき技能実習指導員1名以上を選任し、うち1名以上は介護福祉士等であること
  • 昼夜を問わず、技能実習生以外の介護職員を指導に必要な範囲で同時に配置すること

対象施設と訪問系サービス

対象は、介護福祉士国家試験の実務経験対象施設など、介護業務が現に行われている事業所が中心です。特別養護老人ホームやデイサービスなど施設・通所系での受け入れが一般的です。

施設別のポイントは「特養での技能実習ガイド」「デイサービスでの技能実習ガイド」も参照してください。

  • 訪問系は長らく対象外だったが、令和7年4月1日から一定条件の下で従事が認められる(厚生労働省案内)
  • 本人側:介護職員初任者研修等の修了と、介護事業所等での実務経験1年以上が原則
  • 事業所側:利用者・家族への事前説明、研修・同行訓練・キャリアアップ計画・相談窓口・ICT等の環境整備、巡回訪問等実施機関への書類提出
  • 最新条件:「外国人介護人材の訪問系サービスへの従事について

技能実習制度(介護)の受け入れの流れ

受け入れは監理団体との契約から始まり、送り出し・技能実習計画の認定・入国後講習・1号実習・評価試験を経て2号・3号へ進む流れです。

  1. 監理団体(協同組合等)との契約・加入
  2. 送り出し機関を通じた候補者の選定と面接
  3. 技能実習計画の作成と外国人技能実習機構への認定申請
  4. 在留資格認定証明書の取得と入国
  5. 入国後講習(日本語・介護導入講習を含む)の受講
  6. 第1号技能実習の開始、介護技能実習評価試験(初級)等を経て2号・3号へ移行

技能実習では監理団体が実習生の監理・生活支援・監査などを担います。特定技能で使う登録支援機関とは役割が異なるため、制度移行を見据える場合は両制度に対応できる連携先かを確認すると効率的です。

登録支援機関の比較は「介護に強い登録支援機関ランキング」を参照してください。

介護技能実習評価試験

号の移行や修了時には、一般社団法人シルバーサービス振興会が実施する介護技能実習評価試験(初級・専門級・上級)の受検が必要です。初級は1号終了時、専門級は2号終了時、上級は3号終了時が目安です。

試験内容や過去問題は「介護技能実習評価試験」で確認できます。

技能実習制度のメリット

技能実習(介護)は監理団体経由の枠組みが整っており、初めての外国人採用でも受け入れを始めやすい点が最大のメリットです。制度運用の実績が長く、書類・研修の型が標準化されているため、受け入れ計画を立てやすいのが特徴です。

  • 入国時点で一定の日本語力が求められるため、現場配属の初期ハードルを抑えやすい
  • 若年層中心の候補者が多く、身体介護の現場に馴染みやすいケースがある
  • 費用体系が監理団体経由で見えやすく、初期費用と月額の予算計画を分けて立てやすい
  • 2号良好修了後は、特定技能1号への移行も出口として検討できる

技能実習制度の課題・デメリット

帰国前提の制度設計のため長期定着には向かず、日本語力や監理団体の質に差が出やすい点が主な課題です。無期限の雇用継続を前提にすると、制度の目的とズレが生まれる点に注意してください。

  • 現場で使う方言や専門用語には、入国後の継続学習が必要になる
  • 監理団体によって監査・生活支援・トラブル対応の質に差が出る
  • 訪問系従事には初任者研修等と実務経験など追加条件が必要になる
  • 2027年の育成就労移行に向け、新規受け入れの締切管理が必要になる

他制度との比較(特定技能・EPA・在留資格「介護」)

技能実習は技能移転が目的で帰国前提、特定技能は人手不足対応の就労、EPAと在留資格「介護」は資格取得後の長期就労向き、という違いがあります。

制度 目的・位置づけ 主な要件 在留の目安 家族帯同
技能実習 技能移転(国際貢献) 介護固有の日本語・体制要件、監理団体経由 最長5年(1〜3号) 不可
特定技能1号 人手不足分野の就労 技能・日本語試験(技能実習2号良好修了で免除の場合あり) 通算最長5年 不可
EPA 二国間協定に基づく候補者受け入れ 候補者要件・日本語研修等(国により異なる) 就労・受験の枠組みに応じる 条件による
在留資格「介護」 介護福祉士としての就労 介護福祉士資格 更新により長期就労可

特定技能は試験合格者を即戦力として迎えやすい一方、技能実習は育成期間を前提にします。施設方針が「育成しながら確保」か「即戦力確保」かで選び分けるのが基本です。

特定技能の詳細は「特定技能(介護)制度の解説」をご覧ください。

費用の相場

介護の技能実習は、入国前後の支援費が一人あたりおおよそ20〜50万円、監理団体費が月額おおよそ1〜2万円が相場の目安です。

項目 相場の目安
監理団体・組合費用 月額1〜2万円/人
入国前後の支援費 20〜50万円/人
日本語教育費 実費、または月額1〜2万円程度

実際の見積もりは送り出し国・監理団体・住居手配の範囲で大きく変わるため、初期費用と月額、実費を分けて比較してください。費用試算の補助として「費用シミュレーター」も利用できます。

育成就労制度への移行(2027年4月施行)と準備

技能実習は2027年4月1日に育成就労へ移行予定で、新規受け入れは締切と開始期限を逆算した準備が必要です。

厚生労働省も、令和9年4月1日から技能実習を発展的に解消し育成就労を施行予定と案内しています。在籍中の実習生は経過措置により継続できる見込みですが、新規の計画認定・入国開始には期限があります。

  • 現行実習生の在留状況と、2号・特定技能への出口を把握する
  • 自施設の固有要件(人数枠・指導員・開設3年)を自己点検する
  • 今後の新規を技能実習で進めるか、特定技能・育成就労へ切り替えるかを決める
  • 制度の要点は「育成就労制度の解説」、最新の経過措置は出入国在留管理庁の育成就労案内で確認する

よくある質問

いまから新規に技能実習で受け入れられますか?
2027年4月の育成就労施行までは、経過措置の範囲で技能実習による受け入れ自体は可能です。ただし計画認定や入国開始の期限があるため、監理団体と逆算スケジュールを共有し、間に合わない場合は特定技能も並行検討してください。
訪問介護でも技能実習生を働けますか?
令和7年4月1日から、一定条件の下で訪問系サービスへの従事が可能になりました。本人の初任者研修等修了と実務経験1年以上が原則で、受入事業所にも研修・同行・計画・相談窓口などの遵守事項があります。詳細は厚生労働省の案内を確認してください。
技能実習生を介護福祉士にできますか?
在留資格「介護」やEPAなど、資格取得後の長期就労ルートとは制度設計が異なります。実務経験や研修の要件を満たせば国家試験受験の道はありますが、技能実習のまま無期限定着させる設計ではないため、特定技能や在留資格「介護」への切り替えも含めて検討します。
人数枠はどのように決まりますか?
事業所単位で、介護等を主たる業務とする常勤介護職員の総数に応じて上限が決まります。技能実習生の総数が常勤介護職員の総数を超えることはできません。優良認定を受けた場合などは枠が広がるケースがあるため、最新表は厚生労働省の固有要件資料で確認してください。

まとめ

技能実習(介護)は導入しやすい一方、固有要件と2027年の育成就労移行を踏まえて制度選択する必要があります。

定義・固有要件・受け入れ流れ・費用・他制度比較をそろえたうえで、自施設が「育成しながら確保」したいのか「即戦力確保」したいのかを決めると選びやすくなります。

  • 固有要件(日本語・人数枠・指導員・開設3年)を先に自己点検する
  • 監理団体の質と、特定技能への出口支援を合わせて確認する
  • 2027年移行の締切を逆算し、必要なら特定技能・育成就労も並行検討する
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