特定技能とは?介護業界の外国人採用担当者向け完全ガイド

特定技能とは、人手不足が深刻な産業分野で、一定の技能と日本語能力を持つ外国人を受け入れるために2019年に創設された在留資格です。介護分野もこの対象に含まれており、施設側が制度を理解して受け入れ体制を整えれば、即戦力の外国人材を雇用できます。

「特定技能」「技能実習」「在留資格『介護』」と似た言葉が並ぶと、どれが自施設に合うのか迷う採用担当者は少なくありません。まずは特定技能そのものの仕組みから整理します。

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特定技能とは(制度の定義)をわかりやすく解説

特定技能とは、深刻な人手不足に対応するため、一定の技能・知識と日本語能力を持つ外国人が現場で働けるようにした在留資格のことです。単なる語学留学や技能実習とは異なり、企業が労働力として直接雇用できる点が特徴です。

対象となるには、分野ごとの技能評価試験と日本語試験(原則N4以上)に合格する必要があります。技能実習2号を良好に修了した人は、試験を免除されて移行できるケースもあります。

出入国在留管理庁の特定技能制度ページでは、制度の全体像や最新の運用要領が随時更新されています。

制度ができた背景

少子高齢化にともない、介護・建設・外食業などの分野で人手不足が慢性化しています。国内の人材確保だけでは限界があるため、即戦力となる外国人材を受け入れる枠組みとして特定技能が導入されました。

特定技能の対象分野一覧

対象分野は、制度創設時の14分野から段階的に拡大しています。2024年3月の閣議決定では自動車運送業・鉄道・林業・木材産業の4分野が追加され、16分野になりました。さらに2026年6月にはリネンサプライ分野が新たな対象分野として追加され、特定技能1号の在留資格申請の受付が始まったことで対象分野は17分野になっています。また2026年4月にはビルクリーニング分野で上乗せ基準(分野固有の追加要件)が告示されているほか、物流倉庫・資源循環の2分野についても2027年をめどに新設が検討されています。制度が始まった2019年時点と比べると、対象範囲は着実に広がっている状態です。

区分主な対象分野の例
人材不足が特に深刻な分野介護、建設、外食業、農業、飲食料品製造業
2024年以降に追加された分野自動車運送業、鉄道、林業、木材産業
2026年6月に新設分野として追加リネンサプライ
上乗せ基準が定められた既存分野ビルクリーニング

分野ごとの詳細な業務区分は年度によって更新されるため、採用前に出入国在留管理庁の分野別情報ページで最新状況を確認することをおすすめします。

特定技能1号・2号の違い

特定技能には1号と2号の2種類があります。1号は一定の技能・日本語能力を持つ人向けの在留資格で、在留期間は通算5年、家族の帯同は原則できません。2号はより熟練した技能を持つ人向けで、在留期間の更新に上限がなく、要件を満たせば家族帯同も可能です。

項目特定技能1号特定技能2号
在留期間通算5年まで更新上限なし
家族帯同原則不可要件を満たせば可能
技能水準相当程度の知識・経験熟練した技能
支援体制受入れ機関・登録支援機関による支援が必須支援は原則不要

ここで介護施設の採用担当者が特に注意したいのが、介護分野は特定技能2号の対象外という点です。介護には「介護」という独自の在留資格があるため、より長期の就労を希望する人材は特定技能からその在留資格へ移行する形になります。

技能実習との違い

技能実習は、開発途上国への技能移転を通じた国際貢献を目的とした制度です。一方、特定技能は人手不足の解消を目的とした労働力確保の制度であり、両者は成り立ちからして異なります。

技能実習2号を良好に修了した人は、試験なしでこの制度に移行できる場合があります。ただし移行の可否は分野ごとの対応関係で決まるため、事前確認が欠かせません。

技能実習からの受け入れも視野に入れているなら、技能実習制度で外国人介護人材を受け入れる方法も読んでおくとよいでしょう。どちらのルートが自施設に合うか、判断しやすくなります。

育成就労制度との関係

技能実習に代わる新制度として「育成就労」の創設も進んでいます。育成就労は、一定期間の就労を通じて特定技能へ移行することを前提に設計されており、技能実習のように国際貢献を主目的としない点が大きな違いです。介護施設にとっては、育成就労で入国した人材がそのまま特定技能へスライドしていく採用ルートが今後増えることも見込まれます。技能実習・育成就労・特定技能の3制度がどう接続するかを踏まえて、中長期の採用計画を組んでおくと安心です。

介護分野における特定技能の位置づけ

介護施設が外国人材を受け入れる方法には、特定技能のほかにEPA(経済連携協定)、技能実習、在留資格「介護」の合わせて4つのルートがあります。

制度入国前の準備採用までの目安
特定技能「介護」技能評価試験・日本語試験の合格比較的短期
技能実習送出機関経由の選抜・事前研修半年〜1年程度
EPA二国間協定に基づく候補者選抜1年以上かかることも多い
在留資格「介護」介護福祉士養成校の卒業数年単位

このうち特定技能「介護」は、試験合格を条件に4つのルートの中でも比較的早く即戦力人材を採用できる点が強みです。ただし来日後すぐに現場に配置できる分、業務説明や生活支援といった施設側の受け入れ準備は前倒しで進めておいたほうがいいでしょう。

制度ごとの試験要件や支援内容の違いは、特定技能「介護」とは?外国人を即戦力で採用できる制度で詳しく解説しています。何本もの在留資格を比べるより、まず特定技能「介護」の要件を押さえたほうが判断は早いはずです。

登録支援機関の選び方(介護施設向け)のポイント

特定技能1号の外国人を受け入れる企業には、生活オリエンテーションや定期面談などを含む「支援計画」の実施義務があります。自社だけで対応するのが難しい場合は、登録支援機関への委託が現実的な選択肢です。

  • 介護分野での支援実績が豊富か
  • 生活支援・日本語学習支援まで一貫して対応できるか
  • 定期面談や緊急時対応の体制が明確か
  • 費用と支援範囲のバランスが自施設に合っているか

出入国在留管理庁の登録支援機関登録簿には全国1万社を超える機関が登録されており、実績や対応分野には差があります。よくあるつまずきが、費用の安さだけで選んでしまい、いざ入国後の生活オリエンテーションや3か月ごとの定期面談で対応が後手に回るケースです。契約前に、過去の支援実績と緊急時の連絡体制を具体的に確認しておくと、こうしたミスマッチを避けやすくなります。

介護施設向けの登録支援機関を具体的に比較検討したい場合は、介護施設向けの登録支援機関おすすめランキング9選と選び方のポイントを参考にすると、自施設に合う機関を絞り込みやすくなります。

よくある質問

特定技能と技能実習はどう違いますか?

技能実習は国際貢献としての技能移転が目的で、特定技能は人手不足解消のための労働力確保が目的です。目的が異なるため、支援内容や在留期間の考え方も変わります。

特定技能1号と2号の違いは何ですか?

1号は在留期間が通算5年までで家族帯同が原則できません。2号は更新上限がなく、要件を満たせば家族帯同も可能です。ただし介護分野は2号の対象外です。

介護施設でも特定技能人材を受け入れられますか?

受け入れ可能です。介護は特定技能の対象分野の一つで、技能評価試験と日本語試験に合格した人材を雇用できます。

登録支援機関は必ず必要ですか?

自社で支援計画をすべて実施できる体制があれば委託は必須ではありません。ただし多くの介護施設では、生活支援や日本語学習支援まで対応するため登録支援機関を活用しています。

まとめ

特定技能は、人手不足が深刻な介護分野で即戦力の外国人材を採用できる在留資格です。対象分野は2024年の4分野追加を経て16分野となり、2026年6月にはリネンサプライ分野が新設分野として追加されて17分野になりました。ビルクリーニング分野では上乗せ基準の告示も行われています。制度は今も動き続けているので、採用を検討するタイミングで一度、最新の分野情報を確認しておくと安心です。

介護施設での受け入れ相談を見ていると、制度選びよりも「支援計画をどこまで自前でやるか」で判断が止まっているケースをよく見かけます。生活オリエンテーションや3か月ごとの定期面談は、書類上の要件を満たすだけでは形骸化しやすく、実際に人材が定着するかどうかは、入国後の初期対応にかかっています。自施設のスタッフ体制を先に棚卸ししてから、登録支援機関への委託範囲を決めるという順番のほうが、あとから支援内容を見直す手間は少なくて済みます。

1号・2号の違いや技能実習との違いを押さえたら、あとは自施設が「どのルートで、誰に、いつまでに来てもらうか」を具体化する段階です。外国人介護人材の採用全体を見渡したいときは、外国人介護人材の採用完全ガイド!費用・選び方・採用の流れもあわせてどうぞ。

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